学校における働き方改革に関する流れ  
 


  このページでは、学校における働き方改革に関係する主な調査・通達・ガイドラインなどの一連の流れをまとめました。下の表では調査・通達・ガイドラインなどの名称が略称で表示されている場合があります。名称にポインタを置くと正式名称が表示され、クリックすると文部科学省などのページが別タブで開きます。

1 2013(平成25)年 OECD TALIS2013

日本の中学校が初めて調査に参加。教員の長時間勤務が改めて明らかになりました。

2 2013(平成25)年5月 部活動指導ガイドライン

部活動における体罰の根絶と顧問の指導力向上等が中心テーマでした。

3 2015(平成27)年7月 学校現場における業務改善のためのガイドライン   同概要

TALIS2013の結果を受けて、教員の多忙化を緩和し、児童生徒と向き合う時間を確保するための指針として発出したものです。主に教育委員会向けのものとなっています。

4 2016(平成28)年 教員勤務実態調査

教員の過酷な勤務実態が重ねて明らかになりました。

5 2016(平成28)年6月 学校現場における業務の適正化に向けて   同概要

数多くの具体的改善策を示し、長時間労働をなくして心身ともに健康を維持できる職場づくりを進めるよう提案しました。

6 2017(平成29)年6月 学校における働き方改革に関する方策について諮問

中教審に対し、持続可能な学校構築のため、学校が担うべき業務と役割分担、教員が子供の指導に専念できる学校の組織及び勤務の在り方について検討するよう諮問しました。

7 2017(平成29)年8月 学校における働き方改革に係る緊急提言

2015年に「学校現場における業務改善のためのガイドライン」を発して教育委員会の対応を促したにもかかわらず、2年たっても業務改善の指針や計画を策定している市区町村教委はわずか7.6%にとどまっていました。中教審特別部会は、危機意識をもって早急に取り組むよう強い調子で「緊急提言」を発しました。

8 2017(平成29)年12月 中教審中間まとめ発表

6月の諮問から半年で、背景、具体的対策、給特法に関する議論までを含む中間まとめを発表しました。

9 2017(平成29)年12月26日 学校における働き方改革に関する緊急対策   同概要

文科省が実施する内容を緊急対策としてまとめたものです。

10 2018(平成30)年 OECD TALIS2018

小学校も初めて調査に参加。業務の適正化や働き方改革の徹底を通知してきたにもかかわらず、2013年の調査よりもさらに勤務時間が長くなっていることが判明しました。

11 2018(平成30)年2月9日 学校における働き方改革に係る取組の徹底について

これまでの提言や通知の内容を再度提示し、学校における働き方改革を徹底するよう求めました。2019(平成31)年3月18日に新たな「取り組みの徹底について」が発出され、当通知は廃止されました。

12 2018(平成30)年3月 運動部活動総合ガイドライン

運動部活動の在り方、活動時間の目安、休養日の設定などのガイドラインです。

13 2018(平成30)年3月 運動部活動の適切な運営等に係る取組の徹底について

運動部活動総合ガイドラインの徹底について通知しました。

14 2018(平成30)年7月 働き方改革関連法成立   同法の概要

働き方改革関連法が成立し、民間の働き方改革が進められて行くことになりました。

15 2018(平成30)年12月 文化部活動総合ガイドライン

文化部活動の在り方、活動時間の目安、休養日の設定などのガイドラインです。

16 2018(平成30)年12月27日 文化部活動総合ガイドラインの徹底について

文化部活動総合ガイドラインの徹底について通知しました。

17 2019(平成31)年1月25日 中教審 学校における働き方改革に関する方策について最終答申   同概要

諮問から約1年半、中教審が幅広い内容を含む最終答申を提出しました。

18 2019(平成31)年1月25日 勤務時間上限ガイドライン  同概要

民間に準ずる形で、教員の勤務時間の上限の目安などを定めました。

19 2019(平成31)年2月14日 児童虐待緊急調査に伴う学校業務の負担軽減について

「児童虐待が疑われる事案に係る緊急点検」がさらなる業務負担の増加にならないよう工夫すべきことを通知しました。

20 2019(平成31)年2月28日 「運動部活動総合ガイドライン」フォローアップ調査結果の概要

運動部活動総合ガイドラインに基づいて、活動時間、休養日の設定、長期休養等の基準を設定したかどうかを調査した結果です。市区町村教委ではまだあまり進んでいませんでした。

21 2019(平成31)年3月18日 学校における働き方改革に係る取組の徹底について   同概要

2018(平成30)年2月9日に発出したものを改訂して、必要な取り組みを徹底するよう通知しました。

22 2019(令和元)年6月28日 長期休業期間における学校の業務の適正化等について

働き方改革の視点から、学校閉庁日の設定、研修の合理化・縮減、部活動の長期休養の設定、その他について通知しました。

23 2019(令和元)年12月4日 給特法改正   同概要
給特法が改正され、業務量の管理等に関する指針の策定、年間変形労働時間制の選択的導入が決まりました。改正法には附帯決議がついています。
24 2020年(令和2)年1月17日 業務量の管理等に関する指針   同概要
改正給特法に基づいて、勤務時間上限ガイドラインの内容等を法的に位置づけたものです。
25 2020年(令和2)年7月17日 改正給特法の施行規則制定、業務量の管理等に関する指針の改正
年間変形労働時間制の具体化に向けた、盛り沢山の1つの通知となっています。

  中央教育審議会や文部科学省が「緊急」や「徹底」という言葉を使いながら、矢継ぎ早にガイドラインや通知を発していて、学校における働き方改革を強力に推進しようとしている姿勢が伝わってきます。学校における働き方改革が素晴らしい形で進展し、すべての教員の皆さんがワークライフバランスのとれた豊かな教職生活を送ることができるようになるのか、それによって日本の学校教育がさらに良い方向へ変化し、みんなの幸せにつながっていくのか、学校教育に関係するすべての人々の意識と実行力が、今問われていると言えるでしょう。